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梶山理事長?学長 入学式式辞
平成二十八年度福岡女子大学第六十七回入学式及び大学院第二十四回入学式 式辞

 木々の新芽が一斉に吹き出し、自然の息吹を感じる四月初めに、新入生?大学院生も含めて 二百七十三名を福岡女子大学に迎える喜びを直に感じています。皆さんの若い力が生み出すエネルギーと自然の胎動から湧き上がるエネルギーが合体し、皆さんが今、この場で実感しておられる熱気あふれる入学式となっています。
 第六十七回 入学式及び第二十四回 大学院入学式を挙行するに当たり、公務ご多用にもかかわらず、ご臨席賜りました、福岡県 副知事 服部 誠太郎さま、文教委員会 委員長 伊豆 美沙子さまを始め、ご来賓の方々に、厚く御礼申し上げます。また、保護者の皆様にもご参加いただき、ありがとうございました。さらに、式前に祝賀演奏をしていただいた九州大学フィルハーモニーオーケストラの皆さんに感謝致します。本年度の入学式には、福岡県立女子専門学校卒業の方々と、福岡女子大学の同窓生第四回、十三回、二十三回、三十三回卒業の方々を御招待しております。

 福岡女子大学は、五年前の二〇一一年に教育組織を全面的に改組し、国際文理学部の一学部三学科にしました。本日の学部入学生は二百五十二名、大学院入学生は、二十一名です。この中に外国人留学生が三十四名含まれています。

 新入生の皆さんが、本日、晴れの入学式に出席しておられるのは、入学試験という過酷な競争を突破された、皆さん自身の努力によるのは間違いありません。しかしながら、今日まで物心両面から皆さんをあたたかく支えていただいた、ご家族の恩を忘れてはなりません。また、小学校から今日まで、勉学だけでなく、心の成長も支えていただいた、多くの先生方に対する、感謝の気持ちも忘れてはなりません。皆さんは若いが故に、何事も自分で出来ると思うのは良いことですが、皆さんの現在の成長した姿は、周りの多くの方々の教育面、精神面、あるいは経済面からの、計り知れない多くの支援によるものです。皆さんへのこれらの支援を考えると、福岡女子大学で、人間としての倫理観をもち、身の回りの人達に愛情という感性を発揮できるよう勉学を徹底し、ご恩に報いることが新入生の皆さんの責務なのです。

 ここで、皆さんが入学された福岡女子大学の歴史を説明しましょう。福岡女子大学は、一九二三年(大正一二年)に福岡県立女子専門学校として設立されました。今年で開学九十三年となる、日本で最初の公立女子専門学校です。その後、一九五〇年(昭和二十五年)に県立福岡女子大学となり、学部?大学院組織を充実させながら、二〇〇六年(平成十八年)に「県立福岡女子大学」から法人組織である「公立大学法人福岡女子大学」と変遷してきました。二〇一一年(平成二十三年)四月より従来の教育組織を改組一新し、国際文理学部を創設しました。従来あった文学部と人間環境学部の二つの旧学部を、二〇一三年度で発展?解消しました。福岡女子大学の卒業生は開学以来、九十三年間で、一万二千五百二十五名を越え、各方面で社会的に活躍されています。皆さんは、公立女子大学では最も古いという、伝統ある福岡女子大学の一員となられたことに誇りを持ち、勉学?研究、地域?社会貢献、国際活動に励んで下さい。
 また、平成二十七年度 四月から、より高度な高等教育を目指して、大学院修士課程の「人文社会科学研究科」と「人間環境科学研究科」がスタートしました。この大学院修士課程では、文理統合教育による国際的多様性の理解のための、異文化許容教育と、コミュニケーション力向上の教育を徹底的に行います。さらに、平成二十九年四月からは大学院博士後期課程が開講する予定であり、現在文部科学省と相談しながら準備を進めています。将来皆さんの多くが、さらに高い高等教育を受けるために、学部から大学院へ進学されることを期待しています。

 次に、福岡女子大学の教育の現状について説明しましょう。
 先程述べましたように、福岡女子大学は二〇一一年(平成二十三年)より国際文理学部に国際教養学科、環境科学科、食?健康学科からなる一学部三学科の新教育体制になりました。皆さんはその第六期入学生です。二〇一四年三月(平成二十六年)で国際文理学部は学部として完成し、第一期卒業生を社会に送り出しました。国際文理学部の教育の理念や、育成すべき学生像については、皆さんは様々な情報手段を通じて、さらに、これから行われるオリエンテーションによって理解されると思います。これから始まる、授業、授業時間外教育指導、体験?フィールドワーク授業、サークル活動、地域?社会貢献、国際活動に関する教育指導を通じて、大学の教職員は新入生の皆さんを徹底的に教育していきます。そして、福岡女子大学の「建学の精神」、「教育理念」、「大学のミッション」を、新入生の皆さんが理解できるよう、教職員が指導します。建学の精神は「次代の女性リーダーを育成」であり、教育の理念は「国際的感性を持ち、世界で主体的に活躍できる人材育成」及び「地域?社会の科学?技術、芸術?文化及び日常生活向上に貢献できる人材育成」です。「建学の精神」、「教育理念と大学のミッション」に関しては、新入生の皆さんは、オリエンテーションを通してしっかり学び、学部4年間でこれらの目標に到達できるよう自ら研鑽、努力して下さい。

 大学は、自分自身の考えを個性として表現することを学ぶ所です。教室で授業を受け、基礎知識を身に付けることだけが、皆さんに求められる勉強ではありません。この勉強の動機付けが、皆さんが学んできた高等学校での教育と大きく異なるところです。

 入学式で新入生の皆さんに私が必ず言っていることを、今年の入学式でも伝えさせていただきます。「学生である前に良き市民であれ」、「社会性、国際性を身に付けよ」、「経験を多く積み、独創性?創造性を養うために身の周りの変化に興味を持て」、「人間としての尊厳を守るための倫理観を身に付け、身の丈にあった感性を磨け」、「留学生と親しく仲間になり、異文化と国際的多様性を理解し、国際感覚を磨け」です。この五つの福岡女子大学の行動指針は、私がいつも新入生に言っていることです。これらは福岡女子大学の学生として身に付けるべき最低限の行動規範です。そして、本日はもう一つ、皆さんに徹底して欲しいことを伝えます。大学生活の日常の躾として、お互いに挨拶する習慣を身に付けてください。朝、教職員やほかの学生に会ったときは、大きな声で「おはようございます」と声を掛け合ってください。すっきりした気持ちで一日の勉強が始まります。挨拶の習慣は、教職員が率先して行う社会教育です。教職員はこのことを意識し、毎朝の挨拶の習慣を学生の模範をなるよう努めて下さい。
 
 福岡女子大学は、学生を含む大学関係者の行動目標として二〇一五年から「+α」の大学になるためには、を目標としています。現状に満足せず、その先にさらに高い目標があることを教職員と学生一人一人が見つけて欲しいのです。日常生活や勉学の目標設定の仕方により、四年間で人間的成長に大きな差が生まれてきます。大学に於ける人間的成長の最終目標は、「リーダーシップ」、「感性」、「創造性」です。これらを如何に身に付けるかは学生の皆さんが自分自身で考えて下さい。出発点とゴールが同じでも、解決への道筋は多様であり、答えは一つではありません。成果の到達への道筋がいくつもあることを、学生が自ら身に付けることが、これまでに受けた高等学校の教育とは異なることです。

 福岡女子大学の教育には他大学と比較して、3つの顕著な特色があります。
 一つ目の特色は、「国際学友寮なでしこ」での全寮制生活です。寮はただ住むための場所ではなく、教育寮として国際的感性を育てながら集団教育を受ける場所でもあります。そのために、月曜はアルバイト禁止になっており、月曜の夕方は、様々な講演会や社会実習教育のために有効に使われています。さらに寮内では日本語を使うことのできない時間、イングリッシュ タイムや、イングリッシュ デイが決められおり、学生が自主的に徹底して実行すべきことです。
 二つ目の特色は、徹底した英語教育です。入学直後から、四学期間で取得する十五単位のアカデミック イングリッシュ プログラムは、英語を学ぶのではなく、学術の基礎を「英語で学ぶ」のです。最終的には二千字の英語小論文の作成と、十五分間の英語でのプレゼンテーションの習得が単位取得の最低条件として義務付けられています。一年次に半数以上の学生が短期間外国で経験する英会話訓練と、それを補完するイングリッシュ ビレッジ体験など、英語中心の授業が数多くあります。
 そして三つ目の特色が体験学習です。福岡女子大学では体験学習の内容を毎年進化させています。体験学習の構成は、①「体験学習の心構え、フィールド実践」、②「現場体験?フィールドスタディ」と「成果発信、発展的進化」で、「国内プログラム」と「海外プログラム」の二つがあります。昨年に引き続き、今年の体験学習には、「弱者支援」と「大学の運営?経営に学生の皆さんが直接参加する」というテーマのもと、体験学習の「+α」とは何かを求め、教職員と学生が一丸となってさらなる高みを目指しています。

 皆さんが、これから福岡女子大学で受ける教育は、受け身でかつ他人から強制される勉強であってはなりません。大学教育には、新しい知識の蓄積、新事実の発見、さらに自分の考えを展開できるという期待と感動がありますが、全ては、自ら積極的に実行するものであり、決して易しく、楽しいことばかりではありません。学問、研究は、専門的で深く追求すればする程、苦しさが増してきます。

 何事にも抵抗なく飛び込んでいき、失敗が許されるのは若い時しかありません。新入生の皆さんは、若者の特権を持てる日々が、あっという間に過ぎることを自覚して、一日一日を有効に、学生生活が実り多く有意義となるよう心掛けて下さい。伝統のある福岡女子大学の学生という誇りを持ち、何事にも自分の意見を持ち、積極的、建設的な行動の取れる国際的感性を備えた、成熟した社会人に成長することを願って、入学式の式辞と致します。

 ここで最後に一言付け加えさせていただきます。大学は勉強をするところです。誠意的に勉学に励み、充実した学生生活を送ってください。

「+α」を求めてさらなる高みに」

 平成二十八年四月四日
公立大学法人福岡女子大学
理事長?学長 梶山千里