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梶山理事長?学長 入学式式辞
 平成二六年度
福岡女子大学第六五回入学式及び大学院第二二回入学式 式辞

 この荘厳な入学式の静寂な中にも、皆さんの若い力が自然と生み出すエネルギーを、私はひしひしと感じています。「次代の女性リーダーの育成」を建学の精神とする福岡女子大学の一員になられた学部学生二四七名、大学院学生一二名の皆さんを、心より歓迎致します。入学おめでとう。また、ご多用にもかかわらず入学式にご臨席賜りました小川 洋(おがわ ひろし)様を始め、ご来賓の方々に福岡女子大学を代表し、厚く御礼申し上げます。本年度の入学式には、福岡県立女子専門学校卒業の方々と、福岡女子大学の同窓生のうち、卒業後五九周年の第二回と、さらに、十一回、二十一回、三十一回卒業の方々に、御参加いただいております。

 皆さんが、本日、晴れの入学式に出席しておられるのも、入学試験という過酷な競争を突破された皆さん自身の努力によるのは間違いありませんが、今日まで物心両面から皆さんを暖かく支えていただいたご家族のご恩を忘れてはなりません。また、小学校から今日まで、勉学という面からだけでなく、心の成長も支えていただいた学校の先生、楽しいにつけ悲しいにつけ相談相手となってくれた友人達にも、感謝を忘れてはなりません。皆さんは若いが故に何事も自分でできると思うのは良いことですが、皆さんの現在の成長した姿は、周りの多くの方々の教育面、精神面あるいは経済面からの、計り知れない多くの支援によるものです。

 ここで、皆さんが入学された福岡女子大学の歴史を説明しましょう。福岡女子大学は、一九二三年(大正一二年)に福岡県立女子専門学校として設立されました。今年で開学九一年となる日本で最初の公立女子専門学校です。その後、一九五〇年(昭和二五年)に県立福岡女子大学となり、学部?大学院組織を充実させながら、二〇〇六年(平成一八年)に「県立福岡女子大学」から法人組織である「公立大学法人福岡女子大学」と変遷してきました。平成二三年度より従来の教育組織を一新するため、国際文理学部を創設し、従来あった文学部と人間環境学部の二つの旧学部が平成二五年度で発展?解消となり、輝かしい歴史に幕を閉じました。福岡女子大学の卒業生は九一年前の開学以来、一万人を越え、社会的に活躍しておられる多くの人材を輩出してきました。皆さんは、その伝統ある福岡女子大学の一員となったことに誇りを持ち、勉学?研究、地域?社会貢献、国際活動に励んで下さい。

 次に、福岡女子大学の教育の現状について説明しましょう。

 福岡女子大学は、先程述べました様に、平成二三年度より従来の教育組織を一新し、国際文理学部に国際教養学科、環境科学科、食?健康学科からなる一学部三学科の新教育組織になりました。皆さんは、その第四回入学生で、今年の平成二六年度で国際文理学部は学部として完成したことになります。国際文理学部の教育の理念や育成すべき学生像については、皆さんは様々な情報手段を通じて、さらに、これから行われるオリエンテーションによって理解されると思います。これから始まる、授業、授業時間外教育指導、体験?フィールドワーク授業、サークル活動、地域?社会貢献、国際活動に関する教育指導を通じて、福岡女子大学の建学の精神と教育理念を、新入生の皆さんに徹底して理解していただくよう、福岡女子大学の教職員は指導をしていきます。建学の精神は「次代の女性リーダーの育成」であり、教育の理念は「国際的感性を持ち、世界で活躍できる人材育成」と「地域?社会の科学?技術、芸術?文化及び日常生活向上に貢献できる人材育成」です。

 皆さん、福岡女子大学で何をするために入学したのか、大学生活第一日目の今日、真剣に考えて下さい。大学は、自分自身の考えを個性として表現することを学ぶ所です。教室で授業を受け、基礎知識を身に付けることだけが勉強ではありません。「学生である前に良き市民であれ」、「社会性、国際性を身に付けよ」、「経験を多く積み、独創性?創造性を養うために身の周りの変化に興味を持て」、「人間としての尊厳を守るための倫理観を身に付けよ」、「留学生と仲間になり、異文化と国際的多様性を理解し、国際感覚を磨け」などは、私がいつも学生に言っていることです。「勉強をしない学生、やる気のない学生は福岡女子大学に在学する資格はない」とも言っておきます。福岡女子大学では、アルバイトをしながらのんびりと勉強し、単位の取れるレベルの低い授業は提供しません。

 福岡女子大学の教育には、他大学と比較して顕著な特色が二つあります。一つは、「国際学友寮なでしこ」での全寮制生活です。寮は国際的感性を育てながら住む場所としてだけでなく、教育寮として集団教育を受ける場所でもあります。そのために、月曜日はアルバイト禁止日になっており、夕方は、様々な講演会や社会実習教育のために有効に使われています。二つめが、大学の先生と学生が一体となって、授業を通して学生自身が成長を可視化できるシステム、即ち、カリキュラム?マトリックスとプログレス?ファイルの活用が全学年に義務付けられていることです。この授業理解度可視化システムは、福岡女子大学の先生が議論を重ねて作製?システム化されたものです。学生自身による授業に対する自己診断?自己啓発?発展状況の可視化システムです。このシステムの利用?活用に関して、詳しくはオリエンテーションで解説されます。学生が授業に対して何を理解し、何を取得すべきかを大学側がカリキュラム?マトリックスで示し、学生がプログレス?ファイルという道具を繰り返し活用することで、授業に対していかに自分が進歩?発展しているか可視化するというシステムになっています。学生は、プログレス?ファイルという道具を使って授業に対する自分自身の理解度を測定し、学問力を深めていきまう。即ち、学生が主体的に学問に取り組み、研鑽する中で、「思考力」、「課題解決力」、「対人対応力」と「実践力」の四つの教育基礎力を四年間で身に付けられる道具が、プログレス?ファイルです。カリキュラム?マトリックス+プログレス?ファイル方式は、学生がやるかやらないか自分で判断するものではなく、この道具を使って、学生全員が意識改善と授業理解を深化させることが、福岡女子大学では義務付けられています。授業の内容を理解し、活用するためには自己啓発教育も不可欠です。

 自己啓発教育でまず重要なことは、皆さんの身の周りで起こる様々な変化、例えば、政治?経済、国際情勢の変化、自然の変化、地域?社会での変化を注意深い観察力を持って捉え、興味を持つことです。自分の身の周りで起きる様々な変化に、何故かと不思議に思い、現象や変化に対する解答を自分自身で探し、自分自身の感想や意見として、他人に伝えるというプロセスの確立が、皆さん個人の個性を形成していきます。個人の意見の積み重ね、即ち個性の蓄積が独創性に繋がり、創造性を生みだすのです。芸術?文化の独創性?創造性には、その人の持って生まれた身に付いた能力が重要でしょうが、皆さんがこれから勉強する人文?社会?自然科学における独創性?創造性の発揮には、自分で考え、自分の意見を持ち、それを個性から独創性?創造性へと展開していく個人の努力と訓練が不可欠です。換言すれば、独創性?創造性は、自己啓発教育により自ら勝ち取ることができます。皆さん、福岡女子大学で教育を受ける過程で、また、学生生活をするなかで、自分で考える習慣を身に付けて下さい。

 皆さんがこれから福岡女子大学で受ける教育は、受け身でかつ他人から強制される勉強であってはなりません。大学教育には、新しい知識の蓄積、新事実の発見、さらに自分の考えを展開できるという期待と感動がありますが、決して易しく、楽しいことばかりではありません。学問、研究は、専門的で深く追求すればする程、苦しさが増してきます。

 何事にも抵抗なく飛び込んでいき、失敗が許されるのは若い時しかありません。新入生の皆さんは、若者の特権を持てる日々があっという間に過ぎることを自覚して、一日一日を有効に、学生生活が実り多く、有意義となるよう心掛けて下さい。伝統のある福岡女子大学の学生という誇りを持ち、何事にも自分の意見を持ち、積極的、建設的な行動の取れる成熟した社会人に成長することを願って、式辞と致します。

「自己啓発のできる若者に」



 

平成二六年四月四日                          
福岡女子大学 理事長?学長 梶山千里