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福女生に聞く、私の研究ライフ☆
「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」vol.7
福女生に聞く、私の研究ライフ☆
「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」vol.7
2014/09/29
まだまだ暑いですが、あちこちで虫の鳴き声が聞こえると秋を感じますね。「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」第7回目。読書の秋です!ぜひ読んでみてください!
田村典明先生の植物生理学研究室で研究されている、石井優実(いしいゆうみ)さんにインタビューをしました。
ではさっそくインタビューをご紹介します!
インタビュー日時:平成26年7月23日
メインインタビュアー:女性研究者支援室 副室長 野依(ともぴー)
サブインタビュアー:女性研究者支援室員 和田(いっこしゃん)
文章おこし:女性研究者支援室員 栗田(クリリン)
?大学?大学院について
支援副室長 ともぴー
: 大学院に行こうと思ったのはいつぐらいからですか?
石井さん:
高校生の頃から大学院進学は考えていました。周りの大学院へ行った先生や親戚から、専門的なところまで学びたいのなら
大学院へ進学した方が良いと体験談などを聞いていたので、大学院は自分を高めるところという印象があり、行きたいと思っていました。
ともぴー
: もともとこの専攻に進みたいと思っていたのですか?
石井さん
: はい。高校生の頃から生物を専門として学んでいきたいと思っていました。大学を受けるにあたって、学部学科を選ぶ基準は、理学部の
生物のコースがあるところと決めていました。
ともぴー
:理学部の生物コースに決めていたのは、何に関心があったからですか?
石井さん
:生物の授業が好きだったので、大学に行って生物に関する専門的なことを学びたいと漠然と考えていました。
ともぴー
:福岡女子大学の大学院を選んだ理由は何ですか?
石井さん
:福岡女子大学の大学院に進んでさらに2年間研究することで一つのテーマを深く研究して、自分のものにしようと思ったからです。
実際、学部4年生の1年間だけでは実験の技術や研究に関する知識は十分に身に着けることはできませんでした。
ともぴー
:理系は研究室ごとにテーマが決まっているので、入った研究室によってテーマが変わるのですよね。
石井さん
:はい。もし他大学の研究室に入ったとしたら、違う研究について一から勉強していくことになります。それは私にとっては難しいことだと
思ったし、何より先輩から引き継いだ研究をもっと掘り下げていきたいと思ったので、同じ研究室で研究する方の道を選びました。
ともぴー
:田村研究室の魅力はなんですか?
石井さん
:勉強や研究に関して、求められるレベルが高いところです。
学部3年生の頃、田村研究室の先輩の情熱や知識の豊富さに尊敬をしていました。そこまで学べる環境があるのだと感じ、せっかく大学に進学したのだから自分の力にしたいと思い田村研究室を選びました。
研究室では理系ならではのイベントもあり、梅干をつけたり、山登りに行ったりしています。梅干を作る時、塩分濃度が難しく砂糖が多いとカビが生えました。山登りの時は、ここは高山帯だから高山植物が咲いているなど、植生に関することに触れ、学びを得ることができています。将来教員を目指しているので、少しでも興味を持ってもらえるよう、実生活に活かせる勉強を生徒に教えたいと思っています。
?研究について
ともぴー
:研究テーマはなんですか?
石井さん
:「シロイヌナズナFIB5遺伝子の光ストレス適応への関与」です。
植物は強光や低温、乾燥などの環境ストレスにさらされた時に、様々な遺伝子を発現して耐性を身に付け生存しています。私は、シロイヌナズナ(アブラナ科)というモデル植物を実験材料とし、環境ストレス応答遺伝子の候補としてあげられたFIB5遺伝子の光ストレスへの適応機構を調べています。
ともぴー
:なぜ、その研究テーマにしようと思ったのですか?
石井さん
:子供のころから植物が好きだったこともあり、植物の環境応答に興味を持ったからです。
実家に住んでいた時は、ひまわりが何メートルまで成長するかを楽しみにしたり、母が畑に捨てたかぼちゃの種からかぼちゃが育ったりすることがとても面白いと感じていました。
ともぴー
:研究で行き詰ったことはありますか?
石井さん
:今年度から導入された透過型電子顕微鏡を使うにあたって、すべてが初めての経験なので分からないことが多くて苦戦中です。
ともぴー
:今、どうやって乗り越えようとしているのですか?
石井さん
:栄養健康科学専攻の濱田俊先生に基本的な技術を教えてもらっているのですが、動物と植物では細かい点が違う為、本で勉強したり、
先輩の実験ノートを見て試したりしています。あとは実践して上達するしかないと思っています。
ともぴー
:今後の進路はどう考えていますか?
石井さん
:高校の生物の教員になりたいと思っています。
ともぴー
:教員にはいつごろからなりたいと思っていたのですか?
石井さん
:学部生の始めのころから思っていました。それで教職をとっていたのですが、途中で自分には向いていないと自信がなくなりやめてしまいました。学部3年の終わりの進路を考える時期に、あらためて教員になりたいと思い、教職を取り直しました。
ともぴー
:何故、自信を無くしたのですか?
石井さん
:今の学校現場で起こっている、学級崩壊やモンスターペアレンツ問題などのマイナスな側面ばかり考えてしまったからです。自分が教師としてやっていけるのか自信がなくなってくると、自分がなぜ大学に進学したのか、何になりたいのかが全く分からなくなりました。しかし、生徒に生物の面白さを伝えたいとか、生徒と困難を乗り越えたいとかプラスの側面を考えることで、やはり私は生徒の将来のために自分ができることをしたいと思い直しました。
ともぴー
:わたしも教員経験があるので、教員になるまでの大変さや、なってからの厳しさはよくわかります。
どんな状況であれ、あきらめなければ教師になれます。あきらめずに頑張ってください!
石井さん
:ありがとうございます。あきらめずに頑張ります。
一度方向性を見失ってから改めて決意したことなので今後気持ちが変わることはないと思っています。
ともぴー
:進路決定についての大きな転機は学部3年生の時ですか?
石井さん
:そうですね。大学院への進学は決めていて、修了後の進路決定において、教師になるという自分の軸ができました。
一度しっかりとした軸ができたら、どんどん夢が膨らんで、物知りな先生になりたいから幅広い知識を身につけようとか、自分の研究が授業に生かせないかなどと考えながら日々過ごしています。
?キャンパスライフについて
ともぴー
:アルバイトはしていますか?
石井さん
:今は定期的なアルバイトはしていませんが、学生実験のTAなど大学での不定期なアルバイトをしています。学部生の時は定期的なアルバイトをしていました。
ともぴー
: 何のアルバイトをしていたのですか?
石井さん
:ラーメン屋や居酒屋でアルバイトしていました。
ラーメン屋では、気遣いやリーダーシップを、居酒屋では年下の人との関わり方を学びました。
ともぴー
:どちらも、教員になってからも役に立ちますよね。
ともぴー
:大学のお気に入りの場所はありますか?
石井さん
:図書館です。中2階には背の高い本棚があり、その奥にある机の広いところが好きです。
?プライベートについて
ともぴー
:趣味はなんですか?
石井さん
:映画鑑賞です。最近購入した宝物のパソコンに外付けDVDドライブをつけて、DVDを鑑賞しています。
いっこしゃん
:最近観た映画でおすすめのものは何ですか?
石井さん
:ロベルトベニーニ監督?主演の『ライフ?イズ?ビューティフル』です。ナチの強制収容所に送られる一家の物語で、過酷な状況の中でもポジティブに振る舞っていて、妻と子供を愛し守ろうとする主人公の姿に感動しました。
?学部生のみなさんへひとこと!
ともぴー
:それでは、大学院に進もうと考えている学部生のみなさんにひとことお願いします。
石井さん
:大学院は、先生や周りの人は優しくても現実は甘くはありません。どこの大学院に行っても最終的には自分との戦いになってきます。
競争相手が多い方が伸びる人もいるかもしれませんが、私は少人数の環境である福岡女子大もたくさんいい所があると思います。大学院は、自分と向き合って自分の軸を見つけられる場所だと思っています。
最後に、おすすめの教材を紹介してもらいました!
石井さん
:右)ブルーバックスシリーズの「アメリカ版 大学生物学の教科書」です。アメリカの大学生が使っている教科書ですが、日本人の学生向けに読みやすく翻訳されています。物事の背景が物語風にのっていて、あまり知られていない一押しの教材です!
左)東京アカデミーが出している教員採用試験の参考書です。
本は全て購入すると高いので、図書館にある問題集でも勉強しました。本当に図書館にはお世話になりました!
石井優実さん、明るくインタビューに答えて頂き、ありがとうございました。
「福女生に聞く、わたしの研究ライフ☆」~大学院ってどんなところ?~
石井さんへの質問がありましたら下記のアドレスに質問をお送りください
。
Mail:
frsupport☆fwu.ac.jp
※(☆を@に変えて送信してください。)
送信の際は、“石井さんへ質問です”とご記入ください。
学部生の皆様!質問をお待ちしております!
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